《MUMEI》 黒いワンピース「あ〜、シスターじゃないや」 女性を見て、守はがっかりした様子だった。 それを見て、他のメンバーは呆れた様子だったが 「美緒、さん?」 俺は、一人、皆より前に出て、声をかけてみた。 語尾が疑問形になったのは その服装が 表情が 俺の知る美緒さんとあまりにもかけ離れていたからだった。 「祐也君、久しぶり…」 パステルカラーが似合うおしゃれな美緒さんは 真っ黒いワンピースで いつもより遥かに低いテンションと、声で 真っ赤な目をしていた。 「…お久しぶり、です」 俺は、それだけ言って、頭を下げた。 「先生に許可をもらったから、今から行きましょう?」 「え?」 「行ってきなさい」 戸惑う俺を、何故か担任が促した。 (嬉しいけど…) 素直に喜べない自分がいた。 そんな俺を、不思議そうに見つめる同級生が多い中 不意に目が合った志貴が、ものすごく心配しているのがわかった。 わかったけれど 「葉月も、キヨさんも、キヨさんと親しかったほとんどの仲間が来てるから」 美緒さんに急かされ、俺は美緒さんの車に乗った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |