《MUMEI》
墜ちた修道士
『赤くなってる…』
手首を見つめてジェ
ルマは呟いた。


ケインに強く握られ
た両の手首…

…オレのモノだ…

ケインの声が頭に
響く。

違う…僕はモノなん
かじゃない…

だけど…
あの射す様な瞳に見
つめられると…抗え
ない自分がいて、熱
い唇を受け入れてし
まった…


初めから〜僕は解っ
ていたのかもしれな
い…

あの人、ケインを本
気で拒めない事を…


8年…長く傍に居す
ぎた結果か?
彼との会話を楽しむ
様になったのはいつ
の頃だったろうか?

罪人の彼なのに…何
故か信じられる感じ
がした。

確かに冷酷な一面も
持っていたけれど…

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