《MUMEI》

部屋に残されたジェ
ルマは神の像の前に
跪き祈りを捧げた。


…神よ、僕は…許さ
れないのでしょうか
?…


暫く後…辺りに響く叫び声。


『大変だぁ〜大修道
師長様が…毒を…』


『何?』
ラント修道師様の声。
バタバタと慌ただし
く走り去る足音。


『え?大修道師長様
が?』

ジェルマはドアに駆
け寄った。

『あ、開かない?何
故?誰か?誰か居ま
せんか?ここを開け
て…』
周りの騒ぎに消され
て虚しく響くジェル
マの声。


何が起こったのだろ
う?大修道師様…ご
無事だろうか?


『…ジェルマー…ジェ…
ル…』

…ケインの声?何処
から?…

『ジェルマーー!何
処だ?何処にいるー
!』


あ…窓の外から…聞
こえる?…


窓を開けて〜下へと
目を向けた。

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