《MUMEI》

『ケイン!』

遥か下にケインの姿
〜祈りの部屋は、塔
の三階にあった。


『ジェルマ!お前…
またそんな高いとこ
に…何してる?』


『ケインこそ…その
服…そして馬に乗っ
て…』

ケインはいつもの囚
人服ではなく、騎士
の衣装に身を包んで
いた。

『チッ…早く降りて
こい!』


『出来ない…ドアに
鍵が掛かってて…』


『何?お前は〜ちょ
っと待ってろ!』


『え…え?何を』


馬を降りて木の幹を
スルスルと登り…三
階の窓の高さまで来
た。


『ジェルマ〜退いて
ろ!』


ガッシャ〜ン!!
祈りの部屋の窓に体
当たりして飛び込ん
だ。

『ケイン…無茶苦茶
だ!あなたは…ああ
血が…』

そう言いながらジェ
ルマは何故か胸の動
機が止まらない…


『さあ〜来い!ジェ
ルマ〜』
グイッとジェルマを
引き寄せ〜シッカリ
と抱き締め窓の外へ
飛んだ!

『わーーケイン?こ
こ三階!!』

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