《MUMEI》

「別に、1番になりたい訳じゃないんです。ただ──途中で駄目にはしたくなくて‥」

「───────」

「だからせめて──走り切れるように頑張ろうって」

「お前──」





「ぁ、私──そろそろ帰りますね」

「ちょい待ち」

「ぇ」

「こないに暗くなってもうたし──送ったるから車乗り」

「ぇ、いえ、だ‥大丈夫です」

「‥夜道は危険だ。そいつの我儘を聞いてやれ」

「ぇ‥萱島先生‥?」

「──あまりもたもたしていると──他の教師に見つかるぞ」

「ぁ‥‥‥」

「行こか、碧依」

「眞野っち──」

「大丈夫やて、2回も一緒に乗ったやん」

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