《MUMEI》

「さっ、お兄様──苺の特製クッキー食べて♪」

「‥お前何で俺の隣りに‥」

「だって苺のお兄様だもの♪」

「‥違ぇっつってんだろ」

「むっ‥違わないわよ」

「──────‥日下部、コイツ何とかしろ」

「は‥はいっ」






惷さんが、

苺ちゃんをなだめにかかる。





でも苺ちゃん──

なかなか機嫌が直んない。





「苺はお兄様の隣りがいいの〜ッ」

「ぉ‥お嬢様──」

「〜〜〜‥惷のイジワル」

「お嬢様‥!?」





惷さん、

ヘコんじゃった。





「も‥‥‥申し訳ございません‥」

「──日下部」

「三門様‥?」

「‥いい。好きにさせてやれ」

「宜しいのですか?」

「──取りあえず、な」

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