《MUMEI》
女の子
「しずく──‥」

“‥‥‥‥‥‥‥”

「僕ね、君が天井裏から落ちて来た時──ただの女の子だって思ったんだ」

“‥私は女の子ではない。ただの‥座敷童だ”

「女の子だよ、しずくは──」

“‥‥‥頼む‥もう止めてくれ”

「──僕はしずくが落ちて来てくれて──嬉しかったんだよ?」

“‥‥‥‥‥‥‥”

「嬉しかったんだよ、僕──」

“‥‥‥止めろ”

「ねぇ‥」

“──止めろと言っておるのだっ”

「そこにいて‥楽しい?」

“‥‥‥っ‥”

「君の居場所は──そこじゃないんだよ、きっと」





そんな暗い中にいないで──

出ておいでよ。





明るい場所へ。





僕のいる場所へ。

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