《MUMEI》

「はあ?素直?」

弾かれたようになつきはルナを見た。
六車なづき、つまり「私」という人格を知る人物は誰しも複雑だとか捻くれ者だとかあまり良い表現をしない。

「美しいものを見極められる目を持っている
美しいと言える口を持っている」
ルナは指を目に充てた。


「褒めてる?」
こんなこと言われたの初めてだ。


「讃えているね。」
至近距離でルナの睫毛まで見えた。






 「 アンタ、ヘン! 」
思わず言ってしまう。


「光栄だ」
ルナは嬉しそうに反応した。  やっぱヘンだ。


なづきは自分の定位置に戻る。
近くにいるとロクなことが起こらない。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫