《MUMEI》

「キャーっ、お兄様素敵〜っ♪」





苺ちゃんが飛び跳ねる。





「何年振りですかな──鳳様の笑顔を拝見したのは──」

「柏木さん‥?」

「音無様──ありがとうございます」

「ぇ‥、私っ、な‥なな‥何もしてないですからっ」

「いえ──音無様のお陰でございます──」

「か‥柏木さん、私マジで何も──」





ていうか‥

鳳君が思いっ切り私の方睨んでるんだけど‥。





「──ねぇラン♪」

「ぇ」

「余ったクッキー取っといてあげるから♪」

「ぇ、ぁ‥ども‥」





何だ‥

また何かあるのかと‥。

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