《MUMEI》
幸せ
──あの言葉通り、

しずくは願いを叶えてくれた。





「光、今日は何をして遊ぶのだ?」

「今日はね──何しよっか」





僕は、

凄く幸せだ。





しずくが、

僕の側にいてくれるから。





“なぁ光──”

「?」

“虹は──太陽の光が雨の雫の影響で七色に光って見えるのだろう?”

「うん」
   ・    ・
“私が雫でお前が光なら──虹のように綺麗なものを作れるだろうか”

「ぇ?」

“──いや、独り言だ、気にするな”





しずくは、

笑って言った。





“そうだ光、くっきーはあるか?”

「ぁ──うん、持って来るね」

“私も行くぞ”

「ぇ?」

“幾ら妹とはいえ──世話になるばかりでは何だからな”

「──ありがとう、しずく」

“‥れ‥礼を言う程の事ではなかろう”





しずくは、

パタパタと階段をかけて行く。





“ん、どうしたのだ?”

「ううん、何でも──」





しずくが僕の妹になったって事は、

まだお父さん達には秘密。





けど、

きっと認めてくれると思う。





だって──

僕らは何にも違わないんだから。





そうだよね?





しずく──。

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