《MUMEI》

「気にすんなよ。それより買い出しだろ?俺もだから一緒に行こうぜ。」

ギースは照れくさかったのか話題を変えてしまった。アイクはそんなギースに、先ほど振りまいていた微笑とは違うニッコリとした笑顔を送り、彼の言葉に従った。

だが、ギースの様子が変だ。顔を赤らめ、アイクから背けてしまった。

「どうしたんだ、ギース?」

「あ〜……うん、その、なんだ。軽々しく、笑わん方がいいぞ、うん。反則じみてるから。」

男ですらドキッとさせてしまうアイクの天使の笑みは、ギースによって反則認定された。後に彼は「禁術クラスと言ってもよかったかもしれん……」と語る。

「微笑むくらいならいいかな?」

ギースには軽々しく笑うなと言われたがまさか無表情でいる訳にはいかない。アイクは彼に確認を取ったところ、それぐらいなら大丈夫とのことだ。

その後アイクたちは様々な店を回り、必要なものを買い揃えていった。特待生のアイクと違ってギースは一般生な為、途中からギースの買い出しにアイクが付き添うという形になってしまっていたが。

度々アイクファンに囲まれたのは言わずもがな。

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