《MUMEI》

"英雄の子"

それは、その言葉自体に力がある言葉である。そう名乗れば誰もがひれ伏し、媚びるだろう。

気に入られればいい思いが出来る。

そんな思惑の無い者もいるであろうが、大半は醜い欲望を胸の内に忍ばせている。

そしてこう褒め称えるのだ。

『さすが"英雄の子"だ』と……

言われる当人にとってそれがどんな意味を持つのか、知る者は、あまりに少ない。

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