《MUMEI》

「ま‥眞野っち、あの‥いいんですか‥?」

「何が心配なん?」

「ぇ、だって‥」

「?」

「さっきみんな見てましたよ‥?」

「‥ぁ‥すまんすまん‥」

「──ふふっ」

「碧依?」





どないしたんや‥?





「ほらっ、眞野っちもお弁当食べましょうよ♪」

「──ぁ‥ぁぁ、そやな──」





にしてもほんまに──笑うようになったやんなぁ、碧依──。





「ん‥、どないしたんや‥?」

「──足跡って──消えちゃいますよね」

「?」

「グラウンドとかを歩いたり走ったりした跡って──消えちゃいますよね、風とかで」

「そやなぁ──‥そやけど‥‥‥そこを通ったていう事は確かや」

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