《MUMEI》 「──随分と遅かったのな」 「スイマセン‥」 「‥別にいいけどな。ちゃんと来たから」 鳳君はグラスにジュースを入れて渡してくれてから、 私の前に座った。 「──っと‥、お前──」 「はい?」 「‥日下部に惚れたりしてねぇよな?」 「──ッ!?」 「‥吹き出すなよジュース‥」 「ス‥‥‥スイマセ‥」 でもビックリしたから‥。 私全然そんなつもりないし‥ 第一、 日下部さんは年上だし‥。 「‥ま、何とも思ってねぇならいいんだけどな」 「えっと──それが心配だったんですか?」 「‥心配だった訳じゃねぇよ、別に‥」 前へ |次へ |
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