《MUMEI》

「──大丈夫みたいですよ、たぶん──目眩か貧血だと思います」

「‥すんまへん‥‥‥」

「? ──どうして眞野先生が謝るんですか?」

「ちゃんと‥見てへんかったんです‥オレは‥‥‥」





‥ずっと隣りを走っとったのに。





「───────」

「碧依‥目ぇ覚め‥」

「‥!! すいません私っ‥」






碧依は、いきなり飛び起きて頭を下げた。





「‥私‥そのっ──」

「すまんかったな‥」

「はい‥?」

「何で気ぃ付かへんかったんやろな‥オレ‥」





卯月は‥朝も昼も走っとったんや。





‥昨日から。





そやのに放課後まであれだけ走ったら‥体持つはずあらへんのに‥。

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