《MUMEI》

一番になりたい訳やない‥。





あいつはただ──走り切る事だけを考えとる。





最後まで‥走り切る事だけを。





「──卯月大丈夫か―?」

「涼──」

「ぁ‥水無瀬先生」

「おっ──顔色良くなったみたいだなっ、良かった良かった♪」

「涼、あんまり燥がんといてや」

「なーに言ってんだよ♪」

「?」

「お前あんだけテンパってたくせにさ♪」

「‥‥‥‥‥‥‥」





そやけど‥。





「そんじゃっ、俺は先に行ってるな♪」

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