《MUMEI》

「──碧依、あんな‥?」

「はい‥?」

「本番に出られんくなってまわんように──‥あんまり無理するとな‥」

「はい、分かってます──」

「もうちょっと‥休んで行かへんか‥?」

「ぃぇ」





振り向いて、碧依が笑う。





「ほんとに──大丈夫ですから」





嘘やないて、分かった。





無理をしとる訳でもないて。





「本番──楽しめるとええな」

「──そうですねっ」





──また、笑うた。





太陽に負けへん位に明るい、

眩しい笑顔やった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫