《MUMEI》

水無月家の、蔵で、一族の過去を調べてた
 
神無月家は、筆頭一族で、各一族を束ねていた
 
公に出来ない裏仕事や、
各一族が反乱をおこさないよう
政略結婚をさせたり
 
その、神無月家の長女と、父が……
 
怒りをかった、父は、一族から破門された…
 
血判書を盾に、生き長らえたのか?…
 
それにしては、爺さんの代とて、仕えてたとは、思えない、暮らしぶりだったが…
 
雅治「ふぅ…疲れたな…」 
何気なく、蔵を眺めていると、見覚えのある、柱時計があった
 
何処でみたんだ…
 
身の丈ぐらいある、からくり時計…
 
………
 
執事「雅治様、」
 
雅治「……」
 
執事「雅治様、」
 
雅治「ん、…あんたか…」 
執事「雅治様、湯浴みの支度が調いました」
 
雅治「あぁ、わかった…」 
もう、夕方か…
 
 
女中が、身体を流すと言うのを、丁重に断り
バカみたいに、でかい風呂に入る…
 
…ここの生活は、何かなじめんなぁ…
 
 
 
豪華な夕食だった…
 
 
あの、柱時計…
 
楓「雅治様、お口に合いま せんか?…」
 
雅治「いや…なぁ、楓…」 「蔵にある、柱時計なん だが……」
 「いつ頃からあるんだ? 」
 
楓「私が産まれた時には、 動いていたようですが… 」
 
雅治「見たことあるんだ… …思いだせない…」
 「何処で見たのか…」
 
楓「からくり時計を修理に 来ていた、榊原と言う者 がおります、」
 「何か知っているかもし れませんが…」
 「少し変わっている人で すので…」  
雅治「明日にでも、呼んで もらえるか?」
 
楓「かしこまりました」
 
 
どこかで見た…間違いない…
何故、思い出せないんだ… 
 
俺は、夕食後も、蔵にこもった
 
とにかく神無月家の事を調べたかったのだが…
資料にも、ときたま名前が出てくるだけで…
 
まるで、意図的に存在を隠すかのように…
 
茜も楓も、使いの者にしか合ったことがないらしい… 
ここ20年……
神無月の名前が出る事はなかったらしい…
 
噂では、跡取りが無く、
家が無くなったとか
 
皆殺しされたとか…
 
 
雅治「おとぎ話かよ…まっ たく……」
 
 
 
その夜…夢を見た…
 
幼い俺が盗み聞きしていた 
婆さんが言った
『この子を殺すなんて…できやしない…』
 
爺さん『殺さねば…いずれ災いをもたらす…』
 
……柱時計が鳴る……
 
ボーン ボーン ボーン
 
幼い頃の俺……
義理母が、俺の首……
を絞めた…
 
母と過ごした数日間…
 
幼い俺は、
母に甘えた……
 
また、柱時計が鳴る…
 
ボーン ボーン ボーン
 
 
誰かの声、 何故生きてる  殺さねば   殺さねば  やめろ!  来るな!   走っても、走っても、足に何かが絡み付く
 
真っ暗だ……
 
誰だ!……美喜……
 
迎えに来たのか?…
 
そうか、俺は、美喜に会いに来たんだっけ…
 
な…眩しい……
 
熱い!……家が燃える…
 
うわぁ!!!
 
茜「雅治!大丈夫!」
 
雅治「……!…」
 
楓「大丈夫ですか?…」
 
俺は、うなされていたようだ…
 
雅治「…だ、大丈夫だ…」 
茜「…凄い汗…」
 
茜が俺の額の汗を、タオルで拭いた…
 
雅治「…思い出した…」
 「…八ヶ岳だ…」

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