|
《MUMEI》 浅井家の朝浅井家の朝は割合静かだ。 母ちゃんが6時半には起きて、めざましドカンを大音量で聴いてる以外はな。 しょうがねぇよ、歳とると耳だって聞こえにくくなるんだしさ。 それにしても何事だっていうくらいの音量だな、あれは・・・ 二人の姉妹も各自起きて勝手に出かけるんだけど、低血圧だから朝はほぼ無言なんだよ。 妹の柚子なんか普段めちゃくちゃ怖いから、どう考えても高血圧の方がしっくり来るけどな。 姉さんの林檎は、ありゃひどいマイペースだから納得だよ。 俺はこう見えても飛ばない猫だから、朝のニュース見ながら黙って餌食ってる。 飛ばない猫と飛ぶ猫の違い知ってるか？ 飛ぶ猫より飛ばない猫は人間に近い。 野性の勘がないのか、テレビからテーブルに飛ぶとか、その逆とかも有り得ねえよ。 つまり、飛べない猫とも言うな・・・ でも姉妹は可愛い名前のくせに俺はボンタって、そりゃないぜ。 それでも、3年呼ばれてるからさすがに愛着あるよ。 とにかく朝は静かだから空気が読める俺は、飛び回ることなんてしないってことだ。 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |