《MUMEI》

2時間は経った頃
 
楓に連れられ、榊原が来た 
榊原「……」
 
真直ぐ俺を見る榊原
 
榊原「動かすのか?壊すの か?」
 
真面目な顔もできるんだな…
 
雅治「解体するなら、俺で も出来る…」
 「この柱時計は、全部で いくつあるんだ?」
 
榊原「……2つじゃね?」 
雅治「何処と、何処にある ?」
 
榊原「…1つは目の前…」 「もう一つは、…知らね ーなぁ…」
 
清次「…生きて帰りたくわ ないようだな…」
 
榊原「ほう…オイラ、生き て帰れるのぉ…」
 
清次の顔を下から、覗き見る榊原…
 
雅治「死にに来たわけじゃ あるまい…」
 
がなる、清次を無視して、俺に向き合う、榊原
 
榊原「…もう一度聞く…」 「動かすのか?壊すのか ?」
 
雅治「…」
 
榊原の意図がわからなかった
 
 
榊原「ふん…何にも知らね ーようだな…神無月の息 子よ…」
 
楓「何故、知っているので す?!」 
 
雅治「……」
 
茜「貴方が知ってる事を、 教えて欲しいの…」
 
榊原「知ってどうする?」 
雅治「知ってから、考える 」
 
榊原「はん、あまちゃんが ぁ!」
 「知ったら、後戻り、出 来ないぜ!」
 
雅治「心配はない、…」
 「すでに、後戻りは出来 ない…」
 
榊原「……神無月を、次ぐ のか?」
 
雅治「場合によっては、… 」
 「消し去る……」
 
榊原「………」
 
楓「雅治様……」
 
茜「………」
 
清次「どう言う意味だい? 」
 
雅治「…」
 
清次「オイ!聞こえないの か!、どう言う…」
 
榊原「黙れ!チンピラ!」 
榊原が感情的になった
 
清次の言葉を、遮る…
 
清次「チ、チンピラだとぉ …俺は!」
 
榊原「なぁ、雅治さんよぉ …」
 
清次を完全無視している… 
榊原「神無月を次げば」
 「ありとあらゆる物が、 手に入るかもしれないん だぜ…」
 「それでも……」
 
雅治「手に入らない物もあ る……」
 「俺は、俺だ……」
 
 「消さねばならぬなら… 消す……」
 
榊原「……」
 
茜「お願い、知ってる事を 教えて…」
 
榊原「……よかろう…」
 「だが、俺は、女中殺し の悪党呼ばわりされてい る…」
 「その、ケジメも付けさ せてもらうぜ!…」
 
雅治「…よかろう…」
 「但し…嘘偽りは無しだ ぜ」
 
榊原「承知している」
 
別人のような、凛々しい顔をした
 
榊原「この柱時計は、ある 姉妹に送られた物だ…」 
 「誰かは、…わかるよな ぁ…」
 
また、おちゃらけた態度になった…
 
榊原「ここに有るのは…」 「妹に送られた時計だよ ん」
 「2つの時計は対になっ てるんだぁ」
 
榊原が楓の肩に手をかけた 
榊原「2つの時計が揃った とき…道が開かれ、時を 刻みだす…」
 「神無月の匠の技だね」 
楓が、榊原の手を、振り払う
 
榊原「楓と、茜…」
 「もし、2人にも、同じ ような事があったら?」 
 「2人が揃わなければ、 道が開かれない…」
 
 「命の保証を得られるの さ…」
 
……

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