《MUMEI》 「ぶはっ、マズイ煙草だ。」樹は煙でむせた。 「……化け物」 アラタは細い声を出す。 「お前に言われる筋合いはねーよ」 樹は頭を掻き回す。 アラタは不自然さを感じた。様子がおかしい。 「アンタらが復讐したいのは俺だろう。 ウチの子ちょっかい出すの止めてもらえます?」 樹の言うことに思考が付いて来ていない。 ウチの子? 「お前の本質はこうなのか」アラタはやっと一つ発言できた。 高柳樹はまるで人が変わったようになっていた。 仕草や声のイントネーション、なにより全体に纏った雰囲気が違う。 格段に凄みが増していた。 「違うも何も俺は俺だし。 これ以上無益な会話繰り返すくらいなら、さっさとボコらせろよ。 化野 アヅサ様が 痛みでもって叩き込んでやる。」 樹は冷笑した。 ……あだしの あづさ? 前へ |次へ |
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