《MUMEI》

「まずはあたしたちから自己紹介しましょ。最初は【いっちゃん】ね♪」

いっちゃんと呼ばれた男の人が前に出る。さっきのメガネの人だ。ずいぶんかわいいあだ名だなぁ…。

「それで呼ぶなと言ってるのに。まぁいいでしょう…3人とも初めまして。僕の名前は来栖一(クルス ハジメ)。相原さんと同じ岡根大の経営学部、相原さんの一つ先輩で3年です。よろしくお願いします♪」

お…おぉっ…輝くほどの眩しい笑顔…この人絶対高校で生徒会長やってた気がする。

「よくわかりましたね。なんなら今だって会長やってますよ?」

え…えぇっ!?

「来栖さんもですか!?」

たまったもんじゃない。ここまで来たらボク精神的に休めないよ…。

「僕“も”…?よくわかりませんが、これが僕のVerb、【Look】です。今のは、陸くんの思考の透視…ってとこですよ。」

…て、天敵だぁ…本物が現れたぁ…。

「へぇ〜…英語ってなんかカッコイイね♪あたしもそーしよー!」

「それがいいです、呼びやすいし、僕達もそうしてますから。ちなみに、この力を【Verb】と名付けたのは僕ですよ。」

なるほど…このVerbならわかりそうだな。きっとVerb自体を“視”たんだ。

「えぇ、そのとおり。なかなか鋭いですね、陸くん?」

そう言ってボクに笑いかけてきてくれた。なんかちょっと嬉しいな…この人なら天敵にはならないかも。

「さて、こんなところですか。次は琉川くん。あなたの番です。」


そう言って来栖さんは、ものすごい怖そうな人の方を見た。うわぁ…だめだ、見た目から仲良くなれる自信ないや…。

「…おいハジメ。こいつ今何て言ってた?」

「見た目から怖いなぁ、仲良くなれないかも…ですね。」

…わお。来栖さん意外と黒ぉい。おかげで地雷踏んじゃったみたいじゃないですか。

「あぁ?…まぁこの身なりなら仕方ねぇな。…おい坊主。次思ったら殺すかんな?」

ヒィヤァァァァァァァ!?そんなナイフで頬をピタピタやんないで…ナイフ?

「おっと…ついナイフにしちまった。まぁいいか、これが俺のVerb【Change】だ。名前は琉川竜二、同じく岡根大2年、医学部だ。」

へぇ…は!?

「「「医学部!?」」」

「…おいガキ共。驚きすぎじゃねーか?コラ。」

あぁぁぁぁ…やっちゃったぁ…うわ、こ、今度は指全部ナイフゥ!?

「ほーら落ち着いて!話できないでしょ?じゃないと…」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫