《MUMEI》

──マラソン大会当日。





天気は、快晴。





吹き抜ける風が気持ちいい。





「絶好のマラソン日和やな♪」

「──生徒より浮かれてどうする‥」

「何言うとん、こういうイベントは楽しんだもん勝ちやで?」

「‥それでよく教師なんぞが勤まるな‥」





呆れる萱島先生をよそに、眞野先生はすっかり燥いでいる。





「何か眞野っち、子どもみたいだね──」

「ま、そこがあいつのいいとこなんだよな」

「先生って感じしないもんね──」

「ん?」

「ぇ、ぅぁ‥何でも‥」





未玖が、慌てて否定した。





さっきの未玖達の会話は聞こえてなかったらしくて、

先生は不思議そうにキョトンとしてた。

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