《MUMEI》

 あだしの あづさ だって?

「何言ってるのお前。」
アラタの動悸が激しくなる。足元が安定しない。
胸に拳を握って踏み止まる

「だから、樹は俺のなの。

 で、俺でもあるの。

誰でも辛いときあるだろ

樹の場合は俺[化野アヅサ]が引き受けるんだよ
主に精神面だけどな?」
別人格という説得力はある、しかし納得はしない。

樹は歩み寄り
アラタが逃げ出す前に捕まえた。


「――――証拠は残してないつもりだったけど
どうして、俺が殴ったって分かった?」
樹と目を合わせないようアラタは地面に生えたを草を数えた。


「……指輪。
装飾部分に折れた歯が挟まっていた。」
確かにその指輪は高柳樹が身につけていた物であった。

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