《MUMEI》

「さあ、クイズだよ。

―――――――――――――――――――――な、ものなーんだ?」

残念ながら私はこのクイズの内容を思い出せない。
何故かは分からない、
全てが蒙昧だからだ。


ピエロは私が考えるまで静かに待ってくれる。
そうしている間も赤い風船に気を取られてしまう。
本当は、フリなのかもしれない。
だって、ピエロを不気味だと思うのは私だけじゃないはずだから。


私は風船のために答えを考えるが、どうもピッタリとしたこれというものが浮かばない。
仕方なく、一番近かろう単語をピエロへと伝える。

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