《MUMEI》 今しかないある日の放課後……… 「日照、帰ろうぜ」 「あぁ、行こうぜ影丸」 俺達は共に下校することにした。 帰り道、突然雨が降ってきた。風も吹いてきた。 俺達はしばらくどこかで雨宿りすることにした。 「…あそこが…いいな」 俺はとある建物を指さした。 そう、ラブホテルだ。 「お前…いいのかよ?」 影丸が驚いた表情で俺を見つめる。 俺はその瞳に吸い込まれるような気分になった。 そして体を影丸に委ねた。 「おっと………あぶな………」 ふっ。 倒れかけた俺を支えようとした影丸がバランスを崩した。 その拍子に、俺と影丸の唇が 雨で濡れた唇が ふわりと、重なった。 (続く) 前へ |次へ |
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