《MUMEI》
止まらない
「んちゅ………っはぁっ…」

二人とも、息を止めていた。

時間が止まったような、気がした。

永遠に続くような、続いて欲しいような

そんな気持ちが溢れた。

「影………丸………」

「ひでちゃん…」

「その呼び方…懐かしいな」

「うん…ひでちゃん、恥ずかしいからそう呼ぶなって、高校入ってすぐに…」

「そうだったかな?」

「そう、だよ。あたし…なんだか寂しかったの…ひでちゃんが遠くに行ってしまうようで…怖くて」

影丸は泣いていた。

「そっか…ごめんな、俺がお前を悲しませていたのか…」

「…いいよ、もう、今はそんなこと。だって………」

影丸の唇が再び日照の唇に重なる。

「んちゅ…んんっ…んくっ………」

時間が、永遠に止まった気がした。

いや、実際に止まった。

俺の、俺達の時間は

永遠だ。

(続く)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫