《MUMEI》 「ハズレだよ。」 ピエロからの通達。 また、外れてしまった。 パアン! 〔ハズレだよ〕でピエロの赤い風船は割れてしまう。 私は驚いて体が強張る。 ピエロの大きな手が素早く私の視界を遮り暗闇へと引きずり込む。 目を閉じた方がいい、眠れるからだ。 いけないと知りながら私は恐る恐る覆われた指の隙間からピエロの顔を盗み見た。 最後、ピエロは笑顔だった。 しかし、不自然なのは笑顔の中でピエロの瞳がうっすら開いて私を見下していたことだ。 暗闇に浮かぶピエロの顔で目が覚めた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |