《MUMEI》

「ハズレだよ。」

ピエロからの通達。
また、外れてしまった。






パアン!






〔ハズレだよ〕でピエロの赤い風船は割れてしまう。
私は驚いて体が強張る。


ピエロの大きな手が素早く私の視界を遮り暗闇へと引きずり込む。


目を閉じた方がいい、眠れるからだ。


いけないと知りながら私は恐る恐る覆われた指の隙間からピエロの顔を盗み見た。



最後、ピエロは笑顔だった。








しかし、不自然なのは笑顔の中でピエロの瞳がうっすら開いて私を見下していたことだ。
暗闇に浮かぶピエロの顔で目が覚めた。

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