《MUMEI》

『チッ…ほらよ』

すがり付くジェルマ
の腕をほどいて掌に
ロザリオを乗せる。


ジェルマは、それを
愛しそうに握り締め
る。


『良かった、あなた
を嫌いになるところ
だった。』
ポツリと呟く。


『ん?…ジェルマ』
ケインはニヤニヤと
笑い出した。


『今の言葉〜もう
一度言ってみな?』


『え?あなたを嫌い
になる…っ…あっ』


『じゃ、今は?』
近付くケイン。


『うっ…』


『言えよ、ジェルマ
ん?ほらっ』


『んっ…』
唇を塞がれベッドに
組み伏せられる。


『今は嫌いじゃない
んだよな?』
悪戯っぽい顔で僕を
見詰める。


…うっ…そんな念を
押さなくても…


『好きって言えよ!
ほらっ…
言えったら

…ケインが好き!
ってさ…
言ってみな?』


『ゔぅーーっ』


『素直じゃねーなぁ
ま、こっちは素直だ
けどな(笑)』

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