《MUMEI》

ジャージに、サンダル
 
おんぼろのトラック…
 
急いで準備してもらった
 
雅治「ありがとう…」
 「後は、別行動だ…」
 
執事「…ご無事で…」
 
手下「吉報を、お待ちして ます…」
 
雅治「くれぐれも、用心し てくれ…」
 
執事「しばらく、身を隠し ております…」

雅治「かぁちゃんと、ガキ 、大事にな…」
 
手下の肩を軽く、たたき
俺はトラックで走り出した 
決して、裕福な暮らしじゃないだろうに…
 
ジャージのポケットには
3千円が入っていた…
 
手下の仲間が、廃業したトラックだと言ってた…
 
廃品回収か何かのトラックだろう…
 
振動が、折れた足を刺激する…
 
だが、今の俺には、ペガサスに乗ってるような物だ
 
俺の居場所を知られない為には、公安のハゲにも、頼れない……
 
水無月の爺さんも…敵の可能性があるからだ…
 
 
高速道路代もない俺は、下道で、走り続けた…
 
熱で意識が飛びそうになる……
 
人間の身体って、不思議だ…
 
辛く、苦しいのに…たまに楽になる……
 
だが、治った訳じゃない… 
また、烈しい痛みと目眩が襲って来た……
 
繰り返し、遅いかかる
痛みをこらえ…
 
3千円分の給油をして
走った……
 
 
後、2〜3キロの所で、車が息つぎしだした…
 
燃料切れだ…
 
目立たない所に、車を捨て 
雅治「歩くか……」
 
 
港北区の隠れ家
 
あそこにたどり着けば…… 
車を捨ててから4時間…
 
空は、薄らと明るくなりかけてきた…
 
折れた足を引きずり
 
ようやく、倉庫に着いた
 
雅治「……目が、霞む…」 
なんとか、暗証番号を押し、扉を開けた…
 
周りを確認する、ゆとりもなく、
入って直ぐ、扉を閉めた
 
カチャ…
 
撃鉄を引く音
 
「動かないで!!」
 
雅治「…」

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