《MUMEI》

目が覚めたとき、
俺は、手術代の上だった
 
先生「生きとるな…」
 
雅治「あぁ…」
 
先生「もうしばらく寝てろ …後は、縫合だけだ…」 
雅治「…そうか…」
 
手術着を来た助手が居た… 
 
また…意識が薄れていった…
 
 
…誰だ!……なんだ、美樹か…
 
どうした?……
 
歩み寄る俺…

うわぁ?
 
谷底に落ちて行く
 
真っ暗な闇に吸い込まれ、自分さえ、見えなくなる… 
雅治「うわぁっ!」
 「はっ、はっ、はっ」
 
茜「大丈夫?」
 
雅治「…茜……ここは?」 
茜「…美樹さんじゃなくて ごめんね…」
 「まだ、起きちゃダメ」 
雅治「……」
 
エスティマの中か…
 
点滴がぶらさがり、俺は後部座席で寝かされてた
 
茜「手術は無事、終わった わ…」
 「けど、極度に、衰弱し てるの……」
 「暫くは、絶対安静よ」 
雅治「…うなされてたか… 俺…」
 
茜「…うん…」
 
港北区の、隠れ家の中に
エスティマを停め、
その中で、俺は寝かされてた…
 
あの日、俺の意識が飛んでるとき、
先生と茜は、
先生の昔の知り合いを訪ね、
セラミックの骨を、入手してきた
 
かなり、強引なやり方で… 
現金200万を渡し、銃を突き付けて
 
その中から、比較的、合いそうなヤツを、加工して
俺の足に、ボルト止めしたらしい…
 
局部麻酔なのに、俺は意識不明になっていたそうだ
 
必要な薬を、保冷して
 
エスティマで連れ帰ったらしい…
 
茜「大丈夫よ…後は、私が 面倒みますから…」
 「多少は、医術に心得あ りますから…」
 
雅治「助かった…茜…」
 「ありがとう」
 
茜が涙ぐみ
 
茜「死んじゃったかと思っ た…」
 
茜が俺の胸で泣き出した
 
……こんなに、感情的な茜を、俺は知らない…
 
 
 
茜達がヘリで飛び立った後 
水無月の敷地で、大きな爆発があった…
 
茜は、俺の腕時計が小型爆弾だと知っていた
 
俺が爆弾を使ったと…
 
 
茜達も、また、ピンチだったと
 
ヘリの出力が落ちて、飛び続けられなかったらしい
 
 
不時着した所に、神無月の別動隊が来たが
 
楓を、囮にして、茜は逃げた 
 
今は、誰もが疑わしかった… 
 
茜「足を撃たれたとき、骨 に命中してたんでしょう ね 、骨に、弾がめり込 んでいたわ…」
 
雅治「…」
 
茜「歩けるようには、なる だろうって…」
 
雅治「そうか…」
 
茜「1週間は我慢して!」 「安静にしてよ!」
 
雅治「…」
 
茜「代わりに、私が、動き ますから、指示して下さ い」
 
雅治「情報が欲しい、テレ ビを」
 
エスティマのモニターで、テレビを見る俺
 
茜が、傷口を消毒し、ガーゼを替えてくれた
 
茜「…ずっと、待ってたの ……ここで、ずっと…」 
雅治「…あかね…」
 
茜「何かあったら、ここで 落ち合おうって…」
 
茜「生きてるって、信じよ うとし……でも……し… …たら……」
 
言葉になってない…
 
茜の頭を抱いた
 
雅治「俺は、今、ここに居 る、これは、現実だ」
 
茜「うん…」
 
泣き崩れる茜だった…
 
 

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫