《MUMEI》
昔‥?
「ほんとっ?」

「うん。僕も一緒に行くね」

「やった! ねぇ、木村君一緒に行くって♪」

「ほんとー?」





圭織達が、

こっちに来た。





「木村君、ほんとに来てくれるの?」

「──うん。僕も気になるから」





木村君は、

また‥

ちょっとだけ笑った。





何だか、

寂しそうな笑顔だった。





「そういえば木村君って──どこに住んでるんだっけ‥?」

「昔はね、裏山の向こうに住んでたんだ」

「‥昔‥?」





昔って‥

ぇ‥?





「ちっちゃい頃、って事?」

「──うん‥そんな感じかな」





困ったみたいに、

木村君は苦笑した。

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