《MUMEI》 ホテルに到着「良かったな、拓磨。初めて役に立てて」 「おう!」 … 「守のあれは嫌味だよな?」 「多分…」 二日目のホテルに余裕でチェックインした俺達。 呆れた様子の守の隣で拓磨は 満面の笑みで、女性陣が買い込んだ大量の荷物を持っていた。 俺達の旅行カバンは、先にホテルに届けられる事になっていたから、俺達は最低限の荷物を持ってバスから降りたのだが (でも、あれは多いよな) それでも、拓磨は志貴にいいところを見せたくて、一人で荷物を持っていた。 拓磨は余裕と言っていたが 女性陣のいない所で、俺達は見た。 拓磨が、大きくため息をつき、赤くなった手の平を見つめているのを。 ちなみに、何故女性陣が荷物をその場で郵送しなかったかというと 三人が買ったのは服や靴がほとんどで 部屋でファッションショーのようなものをするらしい。 「女の子だけで楽しみたいから、男は来ちゃだめよ」 志貴は、初めての女友達とのやりとりにかなり浮かれていた。 「ドンマイ、拓磨」 守は、哀愁漂う拓磨と同室で、自分より背の高い拓磨の肩を抱くように、部屋に入っていった。 前へ |次へ |
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