《MUMEI》
贖罪
「レイジ…もうこうするしかないの?」

マリアは銃を取り出しレイジに向けた。

「やめろ、君には撃てない」

「どうかしら?」

カチカチと音を立てるマリアの銃。どうやら本気らしい。

「私は、この町に来なければよかった…貴方に出会わなければよかった…私は…私はっ!」

かちっ。

「雪狩り狩りになんか、ならなければよかった!」

−−−−−−−−−−−

真っ白な雪は、血と混じり

その温度で雪を溶かし

淡いピンク色の液体となり地面に水たまりを作った。

「いったい…いくら殺せばいいの、誰を殺せばいいの、いつまで殺せばいいの…」

マリアは空に向かって一発

銃を発砲した。

自分の非情な運命に対する、精一杯の抵抗であるかのように………

(完)

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