《MUMEI》

笠松は電話の相手の正体は、萩原を殺した人間だと直感した。



そしてその人物とは、10人以上もの部隊を葬り去ることが叶う人間…



また萩原組の奴らが決死の覚悟で襲撃に臨むに値する人間…



笠松の中での"猪俣"の人物像と、電話の相手がかもしだす雰囲気が一つに重なった。




*『もう一度聞く…女に何をした?…』



電話の相手は更に威圧的に問いかけてきた。



『…テメェ…猪俣だな?…』



笠松は相手の問いを無視し、己の疑念を問い返した。



*『ンなこたぁどうでもいいッ!…何をしたと聞いているんだッ!!』



その狼狽ぶりは、愛する者を奪われた悲しみを如実に物語っており、笠松の疑念を確信に変えるに十分なものだった。

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