《MUMEI》 更に上へ何で十三段‥? 十二段までしかないはずなのに‥。 「──ねぇ、早く行こうよ」 木村君が、 手摺から身を乗り出して手招きする。 「‥うん‥」 何だろ‥。 木村君── 何かあたし達とは違うような‥。 『昔はね、裏山の向こうに住んでたんだ』 昔は‥ 昔っていつ‥? 「どうしたの? 行かないの?」 「‥えっと‥‥‥」 「──行こうよ」 そう言われて、 あたし達はまた階段を上り始めた。 にしても‥ 軋むなぁ‥。 この学校は、 かなり古い。 木造建築で、 いかにもって感じの学校。 そういえば木村君‥ まだここには来たばっかりなはずなのに‥ 何で北階段だけ十三段だって知ってたんだろ‥。 北階段は‥ 屋上に向かう時にしか使われない。 でも、 その屋上は‥‥‥ ずっと閉鎖されてる。 前へ |次へ |
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