《MUMEI》 『へッ…犯って姦りマクって… …殺っただけだぜ……ククク……』 漢(男)としての貫目なら猪俣に及ぶところでは無いが、口八丁で浮世を渡り歩く詐欺師稼業の言葉の綾は、猪俣の心を容赦なく翻弄した。 *『お前…何を…言ってる……? …冗談はヤメろ……』 受話口の向こうの声が震えている。 猪俣は完全に我を見失い、現実逃避に耽ろうとしているようだった。 『面識も無ぇ奴に冗談なんて言うかよ…』 笠松は薄ら笑いを浮かべ、更に追い討ちをかける…。 前へ |次へ |
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