《MUMEI》
朝から憂鬱
「朝からいいもの見れたわ!」

「ね〜!」×3

「守キモイ」

「可愛くないぞ、祐也」

「お前がな」


志貴の言葉に、瀬川と渡辺と同時に反応する守を、俺は睨みつけた。


このグループの起床時間は、高山家並に早く


俺が、志貴が俺の寝顔をデジカメで撮った時のフラッシュで目を覚ました時


部屋には、全員が来ていたのだ。


…しかも、全員制服を着て。


それから俺は、悪ノリして着替を覗こうとした守を怒鳴り、朝から疲れてしまっていた。


「機嫌直せよ、プリンやるから」

「いらない」

「じゃあ、ヨーグルト?メロン?バナナ?」

「どれもいらない」


(よくそんなに食べれるな)


朝食もバイキングで、守は相変わらず好きな物を考え無しに持ってきていた。


「大体、何で真司は皆を中に入れたんだよ」


俺は、怒りの矛先を真司にも向けた。


「…断れると思うか?」





「無理だな」

「だろう?」


真司の憎らしいほど爽やかな笑顔に


俺は、今日何度目かわからないため息をついた。


拓磨はそんな俺には目もくれず、今日のバスの席順について志貴と熱心に交渉していた。

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