《MUMEI》 テレビでは、日本のあちこちで、ヤクザ同士の抗争が報道されていた 雅治「久保田達か…」 茜「おそらく…」 もうすぐ、首脳会議が迫る中 日本の治安は、悪くなる、一方だった 茜「うかつに、動けないわ ね……」 雅治「茜、鍵と工具は?」 茜「ここに、あります」 雅治「……」 茜「…今、動くのは、賛成 出来ません…」 雅治「…」 茜「楓、お姉様が、神無月 と、上手く話をまとめら れれば、抗争も、……」 「……」 「今は、お願いですから ……お身体を…」 雅治「わかったよ、いちい ち泣くなぁ」 こんな、直ぐ、泣く女だったか?… 茜「…すみません…」 エスティマの中で5日間暮らした 体力も、いくらか回復して来た 茜が俺の身体を拭く 雅治「そろそろ、着替えも ないな…」 茜「台所で洗います、」 雅治「茜、明日、移動する ぞ…」 茜「どちらへ?」 雅治「大介が、敵に落ちて いなければ…安全な場所 だ…」 茜「……すみません…」 「水無月が、崩壊状態の 今…お二人の、安全は… …」 雅治「出来る事をやるだけ さ……」 茜「…何も、お役にたてな くて…」 雅治「茜、お前には、これ からいっぱい、役立って もらう」 「俺に忠誠を誓え!」 「水無月より、俺を優先 しろ……」 「出来るか?…」 茜「……返事をしなくては 、なりませんか…」 雅治「……」 「今の、水無月は、水無 月に有らず…」 「新たな水無月を作り上 げねば意味はない…」 「水無月を捨てろとは、 言わんよ…」 「…今の水無月のまま、 守りたいのであれば、こ こを出て、楓の元へ行く がよい…」 茜「…」 雅治「全てを、俺に託せ」 「…はっきり言う…」 「俺は、爺さんも、疑っ ているんだ…」 茜「…わかっています…」 雅治「確証は無い……可能 性の話だ…」 茜「……」 雅治「どこまで、俺に出来 るかも、わからん…」 「生き残れるかさえもな …」 茜「…」 雅治「…茜…俺の力になっ てはくれないか?」 茜「水無月を、…どんな形 でも、水無月を守ってい ただけますか?」 雅治「勿論だ」 茜「……わかりました…」 「わたくしの、全てを、 雅治様に、差し上げます 、雅治様に、命、ある限 り、忠誠を、誓います」 雅治「……茜…」 「…唇をよこせ」 茜の唇に、唇を、… 茜「!っ…」 茜の唇を噛み、血を滲ませた 雅治「お前も、俺の唇を噛 め」 茜「…」 茜が恐る恐る、俺の唇を噛んだ 血を交換する、キスをした… お互いの、血を、すする 茜「……」 雅治「……」 目が合ったが…、茜は、ゆっくりと、瞳を閉じた 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |