《MUMEI》

「‥?」





あいつ──

止まった‥?





「ん‥? 何だ? アイツ捻ったのか‥?」

「碧依〜っ、大丈夫ー?」

「‥‥‥‥‥‥‥」





星野が話しかけても、

碧依は返事せぇへん。





「ちょおオレ行ってくるわ」





どないしたんや‥?





あいつ──‥。





「おい、どない‥、‥?」





脚‥

怪我してもうたんか‥?





「立てるか‥? しんどかったら肩貸したるで」

「──大丈夫です」






校門の柱を支えにして、

碧依は立ち上がった。

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