《MUMEI》 立ち話も何だから── そう言われて、 零さん、 香さんに連れられて喫茶店に来た私。 「──君には何かお礼をしなければね──」 「?」 「鳳達や柏木の世話を君1人に任せてしまった訳だし──‥」 「いえっ、ととととんでもないですっ」 「?」 「それに私っ、世話役にしてもらったんですし──」 「つまり──鳳達が君を世話役に選んだ‥という事かい?」 「ハイ、ですから──」 「ぁぁ、君がそれでいいなら、構わないよ」 ニコッ、 と零さんは笑った。 鳳君の笑顔に、 似てる気がした。 前へ |次へ |
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