《MUMEI》

「おい──ほんまに大丈夫なんか‥?」

「はい、あともう少しですし‥」

「無理したらあかんで?」





オレはそう言うたけど、碧依はただ笑うて走り出す。





「───────」





あいつ──やっぱり変わったやんな──。





そない思とる内に、

碧依はゴールした。





──ほしたら。





みんなから、

歓声が上がった。





「おっつかれ碧依♪ 完走出来たじゃんっ、凄い凄い♪」

「───────」

「碧依? どしたの?」

「──っ‥」

「アオイ‥? ──泣いてる‥?」

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