《MUMEI》

「蘭、か──いい名前だ」

「そう‥ですか?」


「──ぁぁ」

「ど‥どもデス☆」





自分の名前──

そんな風に言われたのって初めてだ。





嬉しいなぁ──。





「──さて‥」

「?」

「帰ろうか──家に」

「大丈夫ですか?」

「──ぁぁ、もうだいぶ俟たせてしまっているからね──」





ちょっぴり不安そうに、

零さんは言って──

席から立ち上がった。





「ぁ──君の分の勘定も僕が払うよ。せめてものお礼だ」

「いいんですか‥?」

「勿論」





零さんは、

ニコッと私に笑いかけた。

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