《MUMEI》 「──懐かしいな‥」 団地に入ると、 零さんはほんとに懐かしそうにした。 香さんも、 同じみたい。 「──さて」 零さんの目が、 屋敷の方に向く。 それからゆっくりと、 そっちに向かって歩き出した。 私と香さんも、 遅れないように歩き出す。 歩きながら、 零さん達を見たら鳳君と蜜君がどんな反応をするのか‥ それがちょっとづつ不安になってきた。 ──大丈夫だよね? ──大丈夫‥。 ──鳳君も蜜君も‥ 会いたいはずなんだから──。 前へ |次へ |
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