《MUMEI》

俺はリクライニングを起こした…
 
雅治「いてて……」 
 
茜「あっ…寝てなきゃ」
 
雅治「寝っころがって、話 すことじゃない…」
 
茜「…」
 
雅治「抱いてほしいんだろ ?」
 
茜「…そう言う意味じゃ… 」
 
雅治「茜、こっちへ来い」 
茜「セックスしたいとかじ ゃ…」
 
雅治「わかってるよ…」
 「おいで……」
 
茜を、俺にまたがせた
 
茜「……」
 
雅治「すまない…傷つけち まったな…」
 「…」
 「俺は、愛と言うものを 知らない……」
 
茜「…」
 
雅治「正直、お前の気持ち に、戸惑ってる…」
 
茜「愛してくれとは…」
 
雅治「聞け!、茜…」
 
茜「…」
 
雅治「美樹は、大事な存在 だった…」
 「美樹が死んでから、痛 感した……」
 「あいつは、俺をかばっ て死んだんだ…」
 
 「……俺には、あいつの 気持ちがわからない…」 「身体を奪い、人生を狂 わせ……」
 「なのに、あいつは、俺 を……」
 
茜「…私には、美樹さんの 気持ちがわかります」
 
雅治「一時の、感情的、行 動か?」
 
茜「…女を、バカにしすぎ です……」
 
茜の目が、俺を蔑む
 
雅治「…」
 
茜「ならば、貴方は、なぜ 、楓、姉様を、助けたの ですか?」
 
雅治「……」
 
茜「私は、殿方を、喜ばせ る、すべを、持たない、 カタワな、女ですけど… 自分ぐらい、見えてるつ もりです……」
 
 「貴方は、ご自身を、理 解なさってない……」
 
雅治「…正直…怖い…」
 「愛という、感情が…」 
茜「……貴方も、カタワな 人なのですね…」
 
雅治「…そうだな…」
 
茜「……」
 
雅治「…だから…美樹には 俺の道具になれと、言っ た」 
 「俺に、仕え、俺の役に 立てと……」
 
茜「私くしも、それで十分 です…」
 「…ですが…美樹さんの 所には行かせません!」 
雅治「……俺は、何人も殺 した…」
 「美樹も、守れなかった ……」
 「ぬけぬけと、自分だけ ……」
 
茜「ならば、私も同じです 、行くならば、私を殺し てから、行って下さい」 
雅治「…」
 
茜「貴方に、全てをささげ ます」
 「その、貴方が、居なく なれば……私も…消える のが道理……」
 
雅治「……」
 
茜「身体なら、差し上げま す…」
 「道具でも、性欲処理で も、好きにしてくださっ て、かまいません…」
 
 「…魂まで、よこせと言 うなら……責任を…」
 
雅治「……そうだな…」
 「俺が、温かったな…」 
茜「…」
 
雅治「俺が、死を、選んだ ら……茜…お前も、一緒 だ……」
 
茜「わかりました…」
 「どこまでも、ご一緒い たします」
 
茜の唇が震えた
 
涙を溜め、瞳が潤う…
 
茜を抱き寄せ、唇を合わせた
 
震える、唇を…優しく…
 
茜「雅治様……」

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