《MUMEI》

「パパだっ、ママもいる♪」





そう言うなり、

蜜君が手摺に跨がって滑り降りて来た。





それから、

零さんと香さんに飛び付いた。





「どこ行ってたの‥!? ボク‥‥‥ずっと‥」

「──ごめんなさい‥」

「ママ‥?」

「ごめんね、蜜‥‥‥」

「ママ‥」





蜜君は香さんを見上げて、

何か考えてるみたいだった。





「いいや、帰って来てくれたんだもん♪」

「蜜──‥」

「‥‥‥いつ戻って来やがった」

「! 鳳‥」

「‥何勝手に上がってんだ、人の家に」

「ちょっ‥鳳君、この人達両親でしょ‥?」

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