《MUMEI》
友達
入学式から1週間たった。
友達は…
いらないとは思っていたけど、やっぱり出来ていた。

理沙という子だ。席が近くて、誰とも話そうとしないあたしに声をかけてきた。
「筆箱見せて?」
「…いいけど。」
これが1番始めの会話。
今でもはっきり覚えている。
理沙はとっても元気な子で、あたしが入学式の時にうるさいな、と思った人だった。


あたしは何かと理沙と行動を共にした。
でも理沙はバレー部に入った。あたしはバスケ。
だからあたしはバスケ部の中でも自然と馴染むよう、努力した。
入学式に感じたあの絶望感は、少しずつ薄れていった。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫