《MUMEI》
心理戦
「人間が人間であるにはまず己の存在意義を十分に定義する必要がある」

「ベルセオン著、人間の証明、ですか…。文学は嫌いではありませんが、なにぶん私は人間が嫌いでしてね」

「これは人間にだけ限った話ではない。命を持つもの持たぬもの、全てに当てはまることだ」

「随分過大解釈するお方ですね。その想像力があるから、人間は唯一の存在だ、などと妄言を吐けるのですね。感心します」

「嫌みったらしい皮肉には慣れている。残念だがね。僕は何も人間を唯一とだなんて言った覚えはないさ。その個人、個性が唯一重要だと思ってはいるけどね」

「…あなたもなかなか言いますね。自分で言うのも何ですが、私、冷静な性格だと自負しているのですが…少し感情的になってしまいそうですよ」

「ぜひ見せて頂きたい。あなたのそのすまし顔がひくつくところを…ぜひ」

「…あなたも嫌みな人だ。私と同じで」

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