《MUMEI》 普通じゃない動物園バスが到着したのは、全国的にもかなり有名な動物園だった。 クラスによって見学時間は異なるが、ここは全クラスが見学を希望していた。 俺達のクラスは、一日ここで過ごすコースを選んでいたから、ゆっくり見学できる。 …と、呑気に構えていたが 「ほら、祐也走れ!」 「今なら空いてるから!」 (何でこんなに忙しいんだ!) 事前にこの動物園を調べて張り切っている守と拓磨のおかげで、そうはいかなかった。 こうして、今のように俺達のグループは人気のある動物を効率よく見て回る為に、走る事も少なく無かった。 「ちょ、待てよ!」 (俺持久力無いんだよ!) サッカー部の二人のペースに、俺は遅れそうになった。 (て、何で俺だけなんだ!?) 真司はサッカー部だからわかる。 瀬川と渡辺も、女子だけどバスケ部だからわかる。 だが… 「祐也、大丈夫? ペンギン見たら休憩するらしいから頑張って」 (何で帰宅部の志貴がこうなんだ!?) 俺を心配する志貴が、汗一つかいていないのは、納得できなかった。 (情けないな…) 俺は、苦笑しながら頷き、頑張って皆に追い付いた。 前へ |次へ |
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