《MUMEI》 ほんの少しの進展昼食後は、俺が最初に思った通りにのんびり見学できた。 志貴と拓磨のツーショット撮影は、お土産を買った後に、入り口付近で行われていた。 志貴の細かい指示で、二人の間には微妙な距離が空いていたが 二人共、笑顔だった。 拓磨が満面の笑みで 志貴が微妙に引きつっているように見えたが (まぁ、良かったよな) 俺も、他のメンバーもそこには触れなかった。 「良かったなぁー拓磨」 「おぅ! 人生初の志貴とのツーショットだからな!」 守とはしゃぐ拓磨を 志貴以外の他のメンバーは、生暖かい目で見ていた。 「良かったとも、その位で、とも言えない微妙なとこだな」 生暖かい理由を、真司がしみじみ語ると、俺も瀬川も渡辺も深く頷いた。 「さ、バスに戻るわよ!」 (あ、でも、やっぱり良かったかも…) 俺の手を引く志貴の顔は、少し赤かった。 「あ、祐也!ずりーぞ」 何も知らずに俺に嫉妬する拓磨に (ホテルで教えてやるか) 俺は、密かにそう思った。 前へ |次へ |
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